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今は小さくてもイケてる事業にしたい!正しく儲け続けるシクミを作るための備忘録

あなたのクレーム対応がイケてない理由

かーみーです。

私の上司であり、同僚であり、雀仲間であるKさんがFacebookで取り上げてくれたことから(本当は私が取り上げてくれとお願いしたのだが)、急激に社内PVが伸びているので、少し更新頻度をあげてみつつ、自分なりに「これ結構自信あるんだけどなー」という記事のリンクを貼ってみたりする。

 

karmie.hatenablog.com

 

 

さて、私は結構「クレーム対応」ってやつが好きである。もう少し厳密に言うと、謝るのが好きなわけではなく、起きているトラブルを収めることに、例えようもない喜びを感じる。「自分がちゃんと課題解決をできるか」ってのを練習していたいという感じだろうか。

 

今日は(Kさんのおかげもあって)社内視聴率は高いはずなので、ぜひ社内メンバーに向けて、クレーム対応の素晴らしさと、なぜ課題解決の練習になるかについて書いてみる。

 

なぜクレーム対応は、問題解決の練習になるのか

クレーム対応は、「クライアントに対峙する胆力」「課題抽出力」「集中力・瞬発力」「社内の巻き込み力」という総合的な能力が必要となる。また、大きなクレームであればあるほど、その重要性は高まり、使える社内のリソースも増える。

 

「俺、課題解決したいんすよ!」と上司にいっても「あっそう。そんなテキトーな態度が課題なんだけどね」で終わるところが、「このクレーム俺が対応します!」と言えば「全力で応援よこすから頼む!」に早変わり。こんなチャンスは活かすしかない。

 

クレームとはなにか

まずはここからだ。クレームとは、概ね以下のような式で表される。

 

クレーム = (発生した事象への不満  × 感情)+ 要求事項

 

式を見てわかるとおり、謝り倒して感情を抑えても、事象の整理に手を付けなければ根本は解決しない。一方で理路整然と論理的に事象を整理しても、感情が残っていてはシコリは残る。

 

もう一つ大切なのは要求事項が隠れている事だ。要求とはややこしいもので「ちゃんと治ればOKよ」という人もいれば「損失を埋めよ」みたいな人もいる。要は人に依存する。

 

つまりクレームとは、感情と理論の両面で解決を図りつつ、相手の要求を見極める高度なシゴトだ。

 

クレームの正しい解決方法

上記の式から、クレームの基本的な解決方法は以下のようなものになる。

まずは誠意をもって謝罪を行い、問題を分解し以降二度と問題を起こさないように解決案を構築し、妥当な対応案を提示し合意いただくという一連のプロセスだ。

 

<クレームの正しい対応方法>

①:誠意のある言葉で反省を伝え、キモチを汲み取る。その上で「発生事象」を整理し、裏にある「要求事項」を読み解く

②:発生した事象を、正確にトレースし理由を導き出す

③:②で導かれた理由に対し、今すぐ打てる対応策を提示する(暫定対応)

④:②で導かれた理由に対し、本質的な対応策を提示する(恒久対応)

⑤:②〜④で行った整理を元に、相手が被った損害に対する対応を冷静に提示する

 

①〜③までは瞬発力が必要だ。怒っているからといってグズると、あっという間に機を逃す。集中して一気に進めるスピード感が必要。

 

で、難しいのは④だ。大体クレーム対応するのは営業組織が多いが、発生事象を分解していくと、原因には非常に多くの部門が絡んでいることがままある。つまり④を解決するには、社内の仲間を動員して根本を解決しないと実現できない。

 

⑤は最後のクロージング。④がうまく出来て合理的であれば、ここで終了することも多い。

お客様の要求事項が「あなたから良いサービスを受けたい」だからだ。

ただし残念ながら経済的な損失を与えてしまった際には⑤を丁寧に対応する。

 

なお、お客様の言葉尻にすぐ飛びつく営業マンにありがちなのが、②〜④をすっ飛ばして①⑤だけの対応。

 

「ご迷惑かけて申し訳ありません!タダで結構です!」ってやつだ。

 

これは何も解決していない。あなたの底の浅さが速攻で露呈する。評判を落とすだけだから気をつけよう。

 

クレーム対応とは、商品を磨く活動である

 

クレーム対応は、一見お客様対応に見えるが、カイシャの中から見ると、「課題の洗い出しと修復」プロセスになる。真剣に発生事象の原因を整理し、暫定対応・恒久対応を打っていけば、必ず商品は進化する。

社内を巻き込むその面倒な作業を経ると、必ず商品は進化する。

 

 

 

上記がクレーム対応を、是非若手に勧める理由だ。

 

この活動を経ることで、若手は営業以外の組織について勉強し、シゴトの前後のプロセスや仕組みを一気に理解することができる。 また社内の必要なリソースを自分が采配することができる。大義名分があるのだから。

 

電通鬼十則でいうところの、「周囲を引きずり回せ。引きずるのと、引きずられるのでは、永い間に天地の開きができる」だ。

 

これまで井の中の蛙だったのが、ぴょんと井戸から出ることができる。クレーム対応を通じて、視界を一気に広げることができる。

 

これまで、クレーム対応にネガティブなイメージを持っていた若手にこそ、ぜひ経験してもらいたいと思う。