それでも、あなたにタタキを作ってほしい理由
かーみーです。今日はタタキについて。
「タタキ」という言葉がある。「たたき台」とも言う。ざっくり言うと、企画やアウトプットの、粗いイメージのことである。「かーみー、とりあえずタタキ作ってみてくらる?」という風に使われる。
今日はタタキの有用性と、面倒臭さ。でもやっぱりあなたにはタタキを作れる人になって欲しいと思って書いている。
タタキの有用性
タタキは、みんなのアタマの中を具現化するモノである。「爽やかなイメージで!」「シュッとした感じで!」と会議では合意しても、加山雄三世代のブチョーと、キスマイ世代のそれは違う。「サクッと作っちゃって!」のサクッとは1週間なのか3ヶ月なのかはみんなのアタマにしかない。
粗いイメージを形にして、はじめてみんなのアタマの中との差異が明らかになり、より各論の議論ができるようになる。各論の議論ができるということは、シゴトが前に進むということだ。つまりタタキを作るということは、前に進めるたの大切な手段となる。
人がタタキを作ることをためらう理由
上記のように、タタキを作ることはシゴトを進めるために非常に有用だ。しかし、組織の中でタタキを作る人は限られている。だいたい以下のような理由だ。
1:面倒くさい
そう。タタキを作るには手間がかかるのだ。場合によっては結構なパワーを要する
2:非難の対象となったり、横からヤイヤイ言われる
人間は無責任なものである。自分から具体案を出さないくせに、人の案に対してはケチをつけるものだ。せっかく面倒くさい作業を買って出たのに、文句ばかり言われてはたまったもんではない。
3:プライドが傷つけられる
1,2の結果、タタキを作ったがゆえに「みんなの業者」みたいな状態になり、使い倒される。非常に屈辱的な思いをするようになる
そう、タタキを作るというのは、なかなかしんどいものなのだ。上記のような理由から、年長者や狡猾な人間は手を動かさず、自分の意見だけ入れる傾向がある。そっちのほうが楽だし、自分の意見を入れれるという目的は達成される。
それでも、私はあなたにタタキを作ってほしい
上記のような理由から、エネルギー効率的にはタタキを作るのは非効率にも思える。でも、以下のようなシーンが起きたらどうだろうか。
上司は、イメージが無いと判断できないという。一方で、自分がシゴトをお願いしているスタッフは、方向性が決まらないと後々ブレるので、先に上司の合意の方向性を教えてほしいという。(上司はクライアントでもいいし、スタッフは発注先でもいい)。
一つの解決方法は、上司とスタッフを同席させる場を設けることだ。短気な上司が怒れば、スタッフは嫌々作業を始めるだろう。一応はプロジェクトは前に進む。
でも、本当にそれで良いんだろうか。誰がこのプロジェクトを仕切っているのか。上司にぶん投げた瞬間、あなたに仕切る資格はなくなる。その他大勢の「非当事者」の一群だ。
あなたが当事者であり続けるためには、例えチープな案でも、自分の考えうる最適の具体イメージを作るべきだ。
あ、ちなみに今日の話は、以下の記事の感銘がベースになっている。
ぜひ読んでほしい。