VLOOKUPとSUMIFSで事業分析(第4回)P/Lを作ってみる
縦軸に勘定科目、横軸に月が切られている。
(今回の記事では、当然ながらダミーデータも見せる事はできないので、マスクを入れている)
分析軸は縦軸が勘定科目、横軸は月。
で、(ここがミソだが)あくまでP/Lを分析したいのは事業なので、事業毎にシートを分けたい。元データを更新すれば一挙に全部門のデータが更新されるのが理想的だ。順番を追っていこう。
これは簡単。勘定科目の一覧は会計パッケージに規定されているので、縦軸に勘定科目一覧を並べる。科目名称は同じ科目名で原価・販管費が存在するようなケースもあると困るので科目コードも併記する。
推移表であれば単純にタテをSUMIFSで足しこむだけである。まあ、原価率なども知りたくなるので、そこだけ式を埋め込めば良い。
=SUMIFS(参照先の合計する列、参照先の科目コードが記載された列、集計表の科目コード)
日本語で言うと、こんな感じだ。
参照先の10月の列を足しあげろ。条件は1つ。
売上高のコードだ。よしなにやれ。
あとは、この式をよしなに全体展開すればよい。簡単。$マークの絶対参照だけ気をつけよう。ここを間違えると、コピペの後にイチイチ式を修正しなければならず、超時間がかかる。
タイムイズマネーである。
全社が出来れば次は部門。
まずは部門コードをもとに部門マスタをつくろう。前回の記事を参考にしてもらえばよい。狙いは、集計用組織をVLOOKUPで読み出せるようにすることだ。
複数部門を統合しているような場合もあるので、丁寧に分析をかけたい軸が表現できるようにマスタを作る。あとで使うので、集計したい組織のプルダウン用リストも作っておく。
元のデータ表の左に1列加える。
で、VLOOKUPを埋め込み、先のマスタを参照させ、集計用の部門を表示させる。黄色い列だ。これで、SUMIFSを使えば集計部門で拾うことができるようになる。
材料が揃ったので、集計表に移ろう。
先程作った全社のPLをコピーし、部門集計用のシートを作る。今度は集計表の上の方に、部門を入れる箇所を作る。ついでに、この部門は先のプルダウン用リストを参照先にしておく。
そろそろ大詰め。コピーした全社P/L表のSUMIFS分に一文加える。追加箇所が赤。
=SUMIFS(参照先の合計する列、参照先の科目コードが記載された列、集計表の科目コード、参照先の集計用部門の列、集計表のプルダウンの集計部門)
日本語で言うと、こんな感じだ。
参照先の10月の列を足しあげろ。条件は2つ。
売上高のコードだ。よしなにやれ。
あ、忘れてた。今回は第一事業部の組織が対象だ
あらためて式の$マークに気をつけながら、シート全体の関数に適用すると、
A1セルのプルダウンで組織を選ぶことで、自由に好きな組織のP/Lを表示することができる。このままでも使えるが、最後の仕上げに部門PLのシートをいくつか複製し、プルダウンのデフォルト値を各部門用に設定しておけば、そのまま各部門に展開が可能だ。
ちょっと駆け足で雑になったが、月次決算が〆ったら確定の推移表を更新するだけで、各部門が自分のP/Lを参照できる表の完成である。