財務諸表はタテに並べるとわかりやすいよ!という話
自分のためのメモですが、「これは全中小企業の社長におすすめ!」と思ったことを書きますね。財務諸表は縦に並べると直感的にわかりやすい、という話。
コロナ禍において、大切なのはやっぱ現預金ですよね。
経営の通信簿とも言えるP/Lはもちろん良くして銀行の印象は良くしたいものの、そもそも現預金がないとおしまいです。で、当然社長の興味はB/SとCFに行くわけです。もっと具体的に言うと、今の見通しで期末の現金がいくらあるかが知りたいわけです。
ただ、B/S・CFの試算って結構難しいですよね。
社長は期末に現金がいくらあるか知りたいのに、経理部長に聞いても
「や、社長。キャッシュコンバージョンサイクルがですね。営業の顧客次第でゴニョゴニョ…」とか小難しいこと言い出してケムに巻いて逃げられたりするわけです。
そこで、未来P/Lを描くのは得意だけど未来の現預金予測はようわからん、という社長におすすめなのが縦の財務諸表です。こんな感じで作ります
1:まずはP/Lを一番上に
まずP/Lを一番上に。かんたんですね。毎月見ている推移の損益計算書。
もちろん期末まで見通しが入ってますよね?
2:借方と貸方を上下にしてB/Sを真ん中に
真ん中はB/Sです。B/Sは左右の列あるから上下に分けましょう。
借方(資産)が上で貸方(負債純資産)が下でいいでしょう。
残念ながらB/Sの計画まで作れてる会社は少ないと思いますので見通しはブランクなのではないかと思います。
イメージは以下のような図の感じです。
縦に並べることにより、P/Lの当期純利益=B/Sの繰越利益剰余金の増加分であることが一目瞭然です。また売上の増加が売掛金の増加、原価・販管費の増加が買掛金の増加につながっていることが感覚的にわかると思います。これなら、なんとなく期末の試算できそうな気がしますよね?
簡易的な試算方法はまた次回。
話が長い!と言われないためのスキル
かーみーです。
良い話をしているのに、「話が長い」と感じてしまう人っていますよね。自分も「話長い!」とよく言われるので、気をつけている事。
どういう時に、人は話が長いと感じるのか
「話が長い」と感じるのは、話に飽きていると感じる事とほぼ同じである。たとえ長くても、話に夢中になると長くは感じないものだ。 また、とはいえ夢中にさせる話し方というのは極めて難しい。一般ピーポーでも狙える方法が必要だ。
で、「話なが!」と感じるのは、なーんか話に集中できない違和感があり、その違和感が続き、途方もなくムズムズする感じが「話が長い」という感じる感情の正体。
そして、この違和感は、聞き手の集中力がプツッと切れ、聞き入っていたものからフッと離れたときに生じる。話をが長く感じさせないためには、「集中力が切れるイベントを極力減らす」というのがポイントである。
集中力はどんな時に切れるのか
1:期待の長さからずれている時
乾杯の挨拶などがそれだ。定型の挨拶などは「聞き手の期待する長さ」がある。この長さからズレると違和感を覚えはじめる。「全体の進行大丈夫かな」とか思い始める。お作法的な話はサクッと終わらせよう。
2:話が着地しない時
人は、無意識に「これからどうなるんだろう?」「何が伝えたいことなんだろう?」を推測しながら話を聞く。
例えば商談であなたが営業マンから「御社のビジネスの課題」「解決するソリューション」と、順を追って聞いたとしよう。あなたは、「次は具体的な提案が出てくるだろう」と想像しながら話を聞いているはずだ。
ここで営業マンが「ところで弊社のビジョンは…」と続けると、きっとあなたは「うん?何言ってるんだコイツは?」と思うに違いない。集中力が切れる瞬間である。
それでも優しいあなたは「まあ、このビジョンに繋がる提案が来るのかな?」と思って一度は許す。もう一度話に集中しようとする。
しかしその後に「弊社は創業100年を迎えまして…」なんて話が続いたら、もうアウトだ。もう集中する気にはなれない。「こいつ、話長いなー」になる。
ダメ押し表現が、集中力を切らす
選挙などでは、大事なフレーズが繰り返し語られたりするが、繰り返しも度を超えると、頭の中に「?」を生み出し集中力が切れる。特に、さして重要度が低い事を繰り返し強調されると、違和感でムズムズしてくる。
例えていうなら、全部太文字で書かれた企画書を読むような感じだ。無意識に「この話って何の話?」という気持ちになり集中力が切れる。大事なフレーズは、要点を抑えてダメ押ししたほうがよい。
パワポのどこを読んでいるかわからない話
資料がある場合も気をつけたい。資料と、話している内容がズレると違和感を覚えはじめる。聞き手は「あれ?これどこの話?」になる。アタマは話と資料を行ったり来たりしはじめ、すでにあなたの話は耳に入っていない。それでもダラダラ話すと「話ながっ!」になる。
一度資料を作ったら、必ずその順番で話すこと、資料とズレる箇所はフォローし、聞き手の頭の中を想像しながら話す必要がある。
以上が、話が長く感じないためのコツだ。
「聞き手のアタマの中を想像しながら話す」ことで、あなたの話は(例え流暢でなくても)迷惑はかけないレベルまで飽きさせずに伝えることができるようになる。
あとは、余裕をもって「本当に聴くに耐えうる話」を考えればよい。
大手企業、ベンチャー、どっちに行くか
かーみーです。
MatcherのリアルOB訪問に、なぜか誘われてOBとして参加することになったので、その時に学生さんに話したハナシ。大手とベンチャーの違いについて。
なお、ベンチャーとは「急成長の可能性がある、ちょっとカッコいい中小企業」と一旦規定している。学生さんのイメージはだいたいこんな感じなので。
企業の機能
大手企業とベンチャーを比較する前に、そもそも企業を構成する要素について、ざっくり。特に学生さんはわからないはずなので。
企業には、沢山の部署がある。営業とか開発とか人事とか経理とか。これらの部署は、大きく分けると以下の3つに大別できる。
1:価値を創出する部門(プロダクト)
メーカーで言えば開発や製造にあたる。出版社なら編集部。そのカイシャが世の中に存在するためのコアを作る機能。世の中の機能についての理解は、ほぼこの辺。
2:顧客からの期待を開拓する部門(セールス、マーケティング)
わかりやすく言うと営業だ。創出した価値をカネに変える機能。探客という点ではマーケティングや宣伝もここにいる。Webサービス等では1と一緒な組織だったりする。
3:価値をカネに変えるプロセスを効率的に回す部門(バックオフィス)
1,2がうまく回ること、またカイシャが会計や労務の視点で社会のルールに準ずるための仕組みを作り運用する機能。人事や総務や経理など。規模の大小はあれど、大企業にも中小企業にも必ず存在する。
大手企業とは
でまずは大手企業。一般的には売上も大きく、まあだいたい有名で、優秀な人間が多く歴史があったりする。新入社員視点では以下のような特徴がある。
優秀な人間が多い
人気企業のため、社員は概ね優秀であり、学べることが多い。この世の中の基本ルールは、「仕事をできる人が望まれる」ので、学びが多い先輩がいるのは強い
業務や仕組みが洗練れている
長い歴史の中で勝ち続けており、かつ優秀な社員が多いため、いろんなものが洗練されている。特にバックオフィスについて完成度が高い。
安定感があり満足度が高そう
大企業とはいえ安定しているとは限らないが、とはいえベンチャーと比べれば安定感は高い。またバックオフィスが洗練されているということは「人を辞めさせない仕組み」も検討されているので、世間並みの収入とか福利厚生があったりする。
ベンチャーの特徴
かたや、ベンチャーだ。
一般的にベンチャーは、上記の「1:価値創造機能」に強力な個性を持っている。特筆したビジネスモデルがあり、成長の可能性がある中小企業である。
この個性がレアで、競争力があり、世の中を変えるかもしれない期待感に溢れていると顧客が勝手に集まるので、「2:顧客開発」はオマケでついて来る。
なおWebサービスやアプリ等では「1:価値創造機能」と「2:顧客開発」が限りなくシームレスに繋がっているケースも多い。
つまり、ベンチャーはハイパーな先見性と、強力な推進力を持つ経営者が、新たな価値を掘り出してビジネスにして急成長している中小企業といえる。
一方で走り出して間もないので、だいたいバックオフィスは洗練されてはいない。クソみたいな運用だったりすることも往々にしてある。
ベンチャーを選ぶメリット
よくベンチャーに行くメリットは「経営者目線で事業を見れることだ」と言われるが、それは上記の「1:価値創造機能」「2:顧客開発」「3:バックオフィス」を俯瞰して理解できるチャンスがあるということである。一般的に大企業では組織が大きいため、全体感を掴むのは難しい(とはいえ、意識を持っていれば掴めるので本人次第だが)。
「世の中に価値を提供し、顧客から対価を得続ける仕組み」を、事業のど真ん中で体験することができる。やる気さえあれば、圧倒的な経験を得ることができ、運が良ければ上場とかして、一気に出世も可能だ。
なお、よく求職サイトでベンチャー企業のページを見ると「経営者との距離が近い!」とかあるが、経営者とはだいたいが超短気だったりクレイジーだったりする。そりゃそうだ。彼らの腹の決め方は、サラリーマンの比ではないのだから。
「近い」だけを期待して怒られて傷つく人も多いので、ボタンを掛け違えないように。経営者の視点は大切だが、経営者と仲良くなる事が目的ではない。
概ね、以下のようなメリットがある。
ド級のエネルギーを持つ天才がいたりする
そりゃそうだ。ゼロイチで産業を作ろうとしているのである。エネルギーに溢れている。人生を変えるほどの人間と仕事をする機会はそうない。
仕事をゼロから作る機会がある
そのステージにもよるが、ほとんどの事をゼロから作ることになる。しかも、事業全体から高い視点で考える事ができる。ただし一方で、ベンチャーがそこそこ有名になってくると、大手企業から転職した人間がやってくる。彼らは優秀で、且つ大企業の洗練された業務経験があるので、戦えるだけの能力をもつように常に研鑽する必要がある。
以上が、ごく普通の学歴で、ごく普通の業務遂行能力で、「中堅→大手→ベンチャー→ベンチャー」と転職した、リアルな職場感である。
今になって思うことは、「自分が目指したい人間がそこにいるか否か」である気がする。大手に行こうが、ベンチャーに行こうが、今は転職ハードルが低いのでどこから初めてもそんなに変わらない。
いかにサラリーマン人生のなかで自分を変える仕事に出会い、最後に好きなことを仕事にするか、なのかなと思う。
「好きな仕事」は、人生をキラキラしたものに変える
かーみーです。
先日書いたMatcherが、3/10にリアルOB訪問を行うらしい。
で、ありがたい事に「かーみーさんにOBとして出演してほしい」とウキウキオファーを頂いたので、テンション上げ自分の就活をふり返りつつ、「好きな仕事」を見つけて人生キラキラささせて欲しいな、ていうハナシ。
わたしは、地方出身である。石川県。
で、中学生のころ、テレビとラジオと雑誌が大好きだった。
ちなみに当時の石川県はテレビが民放2局、ラジオは民放1局(AMのみ。FMはNHKのみ)。ニッポン放送を聞きたくて1242に合わせるものの、平壌放送の方が電波が強く、この飢餓感が憧れを生んだのかもしれない。
中学生の頃から将来の目標は、「東京に行って、ギョーカイで仕事をする」だった。
そのためにはまずは東京に行く必要があったため、人並みに勉強をして、なんとかMarchの一番偏差値の低い大学の工学部に滑りこむ。工学部だったのは単に暗記する歴史や国語が苦手で、数学と物理が得意だっただけだ。
ただ大学に入ってからの成績は悪く、いつのまにかギョーカイに行く夢は忘れ、先輩の内定した会社を有名な順に並べ途方にくれていた。
そんな大学三年生の冬、自分の運命がちょっと動く。サークルのスキー合宿の宿に、実家から「フジテレビの人があなたに会いたいと。明日の朝9時に河田町に行くように」と電話がかかってくる。
記念で受けたセミナーの合否結果だ。大学受験なみの数千人を超えるセミナーで、まさか通るとは思ってもいなかった。
夜行で東京に帰り、徹夜でフジテレビの面接を受けた。マスコミは学歴重視だ。周りには早慶上智ばかりで、法政は私しかいなかった。
当時フジテレビが深夜放送していた「ウゴウゴ・ルーガ」「アインシュタインTV」というコンピュータを使った映像が好きで、「手で触らるようなバーバパパを演りたい」と面接のたびに繰り返し、採用枠10人のところ40人まで残ったところで落ちた。
悔しかった。あまりにも悔しくて、図々しいと思いつつ、人事部の方の最寄り駅で張り込み、マンションまでお邪魔して、落ちた理由を散々お聞きした。今となれば笑い話だが、その時にちょっとだけ人生がキラキラした。
その他の媒体社や広告代理店はひたすら落ちまくるわけだが、なんとか滑り込んだのが、アスキーという出版社だった。憧れの媒体社や代理店と仕事がしたくて、配属先は営業部だったが、となりの宣伝部の部長に頼み込み、宣伝部で仕事をする事になる。
電車の中吊り、新聞広告、ラジオ、テレビ、イベント、タイアップ、小さな会社なのでなんでもやらせていただいた。仕事への小さな自信も生まれ、「キラキラ」がちょっとだけかたちになった。
以上が、自分の就活の思い出だ。あの夜、自宅マンションで話を聞いてくれたフジテレビの方がいたから(確か稲葉さんという方だ)、自分は好きな事を仕事にする事を決めることができた。
週末のMatcherイベントで、少しでも誰かのキャリアの役に立てればと思う。
それでも、あなたにタタキを作ってほしい理由
かーみーです。今日はタタキについて。
「タタキ」という言葉がある。「たたき台」とも言う。ざっくり言うと、企画やアウトプットの、粗いイメージのことである。「かーみー、とりあえずタタキ作ってみてくらる?」という風に使われる。
今日はタタキの有用性と、面倒臭さ。でもやっぱりあなたにはタタキを作れる人になって欲しいと思って書いている。
タタキの有用性
タタキは、みんなのアタマの中を具現化するモノである。「爽やかなイメージで!」「シュッとした感じで!」と会議では合意しても、加山雄三世代のブチョーと、キスマイ世代のそれは違う。「サクッと作っちゃって!」のサクッとは1週間なのか3ヶ月なのかはみんなのアタマにしかない。
粗いイメージを形にして、はじめてみんなのアタマの中との差異が明らかになり、より各論の議論ができるようになる。各論の議論ができるということは、シゴトが前に進むということだ。つまりタタキを作るということは、前に進めるたの大切な手段となる。
人がタタキを作ることをためらう理由
上記のように、タタキを作ることはシゴトを進めるために非常に有用だ。しかし、組織の中でタタキを作る人は限られている。だいたい以下のような理由だ。
1:面倒くさい
そう。タタキを作るには手間がかかるのだ。場合によっては結構なパワーを要する
2:非難の対象となったり、横からヤイヤイ言われる
人間は無責任なものである。自分から具体案を出さないくせに、人の案に対してはケチをつけるものだ。せっかく面倒くさい作業を買って出たのに、文句ばかり言われてはたまったもんではない。
3:プライドが傷つけられる
1,2の結果、タタキを作ったがゆえに「みんなの業者」みたいな状態になり、使い倒される。非常に屈辱的な思いをするようになる
そう、タタキを作るというのは、なかなかしんどいものなのだ。上記のような理由から、年長者や狡猾な人間は手を動かさず、自分の意見だけ入れる傾向がある。そっちのほうが楽だし、自分の意見を入れれるという目的は達成される。
それでも、私はあなたにタタキを作ってほしい
上記のような理由から、エネルギー効率的にはタタキを作るのは非効率にも思える。でも、以下のようなシーンが起きたらどうだろうか。
上司は、イメージが無いと判断できないという。一方で、自分がシゴトをお願いしているスタッフは、方向性が決まらないと後々ブレるので、先に上司の合意の方向性を教えてほしいという。(上司はクライアントでもいいし、スタッフは発注先でもいい)。
一つの解決方法は、上司とスタッフを同席させる場を設けることだ。短気な上司が怒れば、スタッフは嫌々作業を始めるだろう。一応はプロジェクトは前に進む。
でも、本当にそれで良いんだろうか。誰がこのプロジェクトを仕切っているのか。上司にぶん投げた瞬間、あなたに仕切る資格はなくなる。その他大勢の「非当事者」の一群だ。
あなたが当事者であり続けるためには、例えチープな案でも、自分の考えうる最適の具体イメージを作るべきだ。
あ、ちなみに今日の話は、以下の記事の感銘がベースになっている。
ぜひ読んでほしい。
Done is better than perfect
かーみーです。
「やりきる」って難しいなーっと思って。
Done is better than perfectという言葉があるらしい。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグの言葉。
日本語でいうと、「完璧を目指すより、まずはやりきれ」って感じだろうか。
前職のリクルートでは、いつも上司から「やりきれ」と言われた。
社内の評価指標でそれは、「圧倒的な当事者意識」という言葉で語られた。前職ではアタマも悪く、全く仕事できなかったが、上司から「圧倒的な当事者意識だけはできとんな、うん」と言われたことだけが嬉しかった。
また、出向先の電通では「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…」という言葉があった。半年間電通さんとメッコリ、しんどい仕事をするチャンスをいただいた。すべて終わらせて、自分がRとともに電通担当を卒業するとき、クライアントであり、子会社の上司である電通の方が労ってくれたのが本当にありがたかった。
例の事件で電通の根性論は否定されもしているが、短い間でもお付き合いいただいた電通マンの方々は本気でクライアントのために身を粉にしていて深夜まで仕事をしており、そのひたむきさは、本当に格好良くてシビれたものだ。少しでも、自分がシビれる電通マンに近づけたのかなと。
さて話を戻すと、「やりきる」って事は自分のためなんじゃないかなと思う。まずは完納する事を決めること。その上で、以降発生する面倒くさい調整をすべて引き取る事を決意すること。
もちろん、人間だからとんでもなく忙しくてアウトプットがクソみたいなクオリティの時もあるし、いつも準備万端ではない。それでも自分の決めた事をやりきることは、自分自信を信頼するために必要だな、と思う。
大切なのは人からどう言われようが、その時の自分が出せる最高のクオリティでアウトプットすること、つまり世の中に問うことなのではと思う。いくら完璧を目指す言い訳を並びたてても、世の中にでなければそれは無だ。
ふと、自分に置き換えてみると、えらそーな事言ってる割に出来てねーなーと反省しつつ、過去はどうせ変えれないから、いま取り組んでる仕事はやりきろう、と思う。
あ、そうそう。
会員限定だけどcakesというコンテンツサービスがある。今は連載が終了したけど「左ききのエレン」という広告代理店のデザイナーの話があり、「やりきる」に近い文脈のハナシが出てくる。
かなりシビれる台詞満載なので、ぜひ読んでいただきたいかなと。
議事メモで、会議のフィクサーになる
かーみーです。
「議事録」ではなく「議事メモ」である。多少ライトで私見的なニュアンスを含み、意思を載せやすい、「議事メモ」の作成を若手にお勧めする理由。
私は、会議が多い。で、なるべく参加する会議や商談では、事後にメールで簡単なメモを入れることにいている。別にボランティアではなく、物事を速く確実に、自分の意志で遂行いたいからだ。
議事録と議事メモの違い
議事録は、基本的にはストック情報である。決議内容や、その判断のものとなる背景をアーカイブしたものだ。取締役会議事録とかが代表。
対して議事メモは、打ち合わせや会議のフロー情報のスナップショットに近い。「あの日の会議の、みんなのアタマの中に描いた絵」を表したものである。あくまで共有というところに、議事録との違いがある。
1:なんで議事メモを作るのか
会議は、さまざまな立場の人間が、その進め方は方向について議論を行う場である。大切なのは、会話を通じて同じ絵をアタマに描き、進め方に合意を取ることだ。
人間の記憶は砂の城のように、時間とともにディティールが風化していく。気がつけば、「あの時は一致していたアタマの中に描いた絵」がだんだんズレていく。会議直後にメモを送る事で、アタマの中のスナップショットを確認できる。
2:先手を打って議事メモを作るやつが主導権を握る
アタマのイメージは人それぞれであるため、会議直後に要旨をまとめる事で初めて固定化する。「ラップアップする」という言葉で表現されたりもする。
議事メモを送る事は、あなたのアタマの中の整理でラップアップする事と等しい。言い換えると、自分の描いたアタマのイメージで今後のプロジェクトを進めるようになる。
3:議事メモは、会議直後に入れる
議事メモは、出来る限り早く送るのがベターだ。もしも自分の記憶の中に曖昧な箇所があったり解釈が間違えていても、誰かが親切に指摘してくれる。
時間が経過してからメモを送ると、解釈がズレていた場合に弁明に見られる事がある。せっかく手間をかけて行った作業が、くだらない認識違いでメールのやり取りが発生してはたまったものではない。
4:常に分かりやすいメモを残す
議事メモを速く送るためには、会議中のメモの取り方が大切だ。
何について議論をしていて、どんな背景があって、何を決めたのか。誰がどんな順番で進め、宿題は何なのか。
上記のようなポイントを、日頃から分かりやすく整理するクセをつけておけば、そのメモをメールするだけで良い。
「議事メモのためにメモを取る」のではなく、「普段のメモを議事メモに転用する」くらいのイメージ。
5:議事メモで、自分の視聴率を上げる
人間にはそれぞれの影響力がある。当然ながら影響力が高い人間のほうがパワーがあるとみなされる。
影響力を上げるには、社内の様々なシーンで発信するのが手っ取り早い。「常に自分の視聴率が高い」状態を目指す必要がある。
昔から「議事録」というと、若手がやらされる、面倒くさい裏方仕事の代表といったイメージがある。
あながち間違いではないが、「議事録」が面倒くさい本当の理由は「見えないお作法(特に仕事もできないオッサン社員がネチネチ言う)」や、「役所的な確認作業」が多いわりに、自分の意思を反映できないからだろう。こいつは視聴率アップにはあまり使えない。
とはいえ本来は議事録とは非常に強力なツールであり、業務遂行においても、あなたの社内視聴率アップにも役に立つ事は間違いない(実際に、本当に重要な会議ではシゴトのできる人が議事録を仕切ってるだろう)。
そこで、若干インフォーマルな「議事メモ」を使って、プロジェクトを仕切りつつ、社内発信を開始しよう。
オッサンのネチネチお作法に関する小言も、議事メモなら「ご指導ありがとうございます!次週から気をつけてます!」で軽く受け流せるだろう。
まずは来週の定例ミーティングから、試してみてはどうだろう。